2024年度理事長所信

基本理念

基本理念

時代を担う楔となりて、
このまちを笑顔咲かせる光で照らそう

スローガン

百華繚乱なまちを目指して

基本方針

  1. みんなと手を取りあい華やかな舞台へ
  2. 子どもたちと共に挑戦するまちへ
  3. 今だからこそ、人から学ぶ、みんなで学ぶ
  4. 人々の懸け橋となる組織へ
  5. お互いのまちを知る、自分のまちを好きになる

2024年度理事長 高野 光

はじめに

ねぷた囃子の音に合わせて
子どもたちの元気な「ヤーヤードー」が聞こえてきます。


 2023 年 5 月、約 3 年に渡り世の中を脅かした新型コロナウイルス感染症が5類感染症の区分となり、々なイベントの制限などが徐々に解除されました。弘前ねぷたまつり合同運行への参加団体の数や観客数もコロナ禍前の水準に戻りつつあります。
 待ち望んでいたまつりに心じゃわめぐ人たちが大勢いたことでしょう。


 その一方で空白の 3 年間の影響で活動をやめた団体もあります。少子高齢化によりただでさえ伝統の継承が危ぶまれていた状況がコロナ禍で加速しました。加えて原材料費や燃料費の高騰もじわじわと影響を与え、せっかく制限が解除されても暗い影が見え隠れする状況です。


 ねぷたまつり以外のイベントもこの 3 年間でノウハウの継承ができない、続けてきた人たちの気持ちが離れてしまったなど、まちの人たちが望んでも以前のようにできないものがたくさんあります。


このような世相の中、私たち弘前青年会議所はこのまちのリーダーとして人やまち、地域に光を放つ存在となることが期待されているはずです。

時代を担う楔となりて、このまちを笑顔咲かせる光で照らそう

1951 年 1 月 15 日、弘前青年会議所は誕生しました。設立趣旨書の一節に「青年独自の熱と力を以って経済文化の繁栄と社会一般に貢献し、正義心を涵養して時代を担う清新なる自覚に生きる」とあります。私たちの先輩方は戦後立ちはだかった様々な困難という壁を壊し、清らかな風を吹かせようという志のもと、数々の事業を行ってきました。


 令和の時代になり、経済格差や地方の人口減少など新たな壁ができてきています。
これらの壁はコロナ禍の影響でさらに分厚いものになったのではないでしょうか。誰かがその壁に立ち向かわなければ壊すことはできません。私たちの活動だけではその壁をなかなか壊すことはできないかもしれません。しかし、その活動が楔(くさび)として打ち込まれ、その後に巻き起こる運動によってその分厚い壁は壊れると信じています。きっとその壁の向こうにはまばゆい光が溢れ、このまちを、みんなを笑顔にするでしょう。


また楔には2つのものを固くつなぎ合わせる役目もあります。急速な情報化社会の発達によりどこか希薄になった人同士の結びつきを今一度つなぎ合わせることができるのも積み重ねた歴史を持ち、地域に根ざした運動をしてきた弘前青年会議所だからできることではないでしょうか。

みんなと手を取りあい華やかな舞台へ

 弘前市の創業件数はコロナ禍でも過去最多でした。高校生や大学生でも起業をしたい、すでに起業をしたという方もいます。地元紙やインターネットの記事を見てもアイディアを出し、新しいことに挑戦しようという人も増えています。弘前というまちの特色を生かしたことを始めようとしている人がたくさんいます。


 私たち弘前青年会議所も 73 年にわたり様々な事業を展開してきました。先輩方がその時々で考えるいろいろな角度からの課題に対し、汗を流し、ときには涙を流しながら弘前をより良いまちへと変えてきました。この先輩方の想いや経験、ノウハウは議案などの資料や口頭、伝聞という形で引き継がれ、大きな財産として私たちに残されています。


 今このまちには自分でアイディアを芽吹かせた人、まだ様々な事情で芽吹かせることができない人がいます。また弘前のことを知り、素敵なまちだと移住や Web を使った情報発信、通信販売を活用する市外の方もたくさんいます。そういった人たちと私たちの知識や経験、ノウハウをともにすることができればさらに大きなムーブメントをまちに起こすことができるはずです。さらに自分たちの大きな成長にもつながります。積極果敢に様々な人たちと触れ合い、共に誇らしいまち弘前を創っていきましょう。

子どもたちと共に挑戦するまちへ

 私自身 10 年以上、子どもたちと接する仕事をしてきました。その間、スマートフォンやSNS が爆発的に普及し、生まれたときからデジタルに囲まれた世界が当たり前の子どもたちがたくさんいます。大人でさえ、うまく処理しきれない量の情報の波が次から次へと押し寄せてきます。その結果、自分たちに都合の良い情報だけを仕入れるようになっています。SNS は綺羅びやかな一面だけを取り上げ、それを使っている子どもたちの理想は高くなりすぎて、うまく自分を表現できない子どもたちが増えてきました。我々大人も情報過多な中で少し潔癖になり、挑戦する気概が少し薄れてきているのではないかと思います。


 それを打破するのには成功体験を積み重ねることが必要です。例え小さな成功であってもいい、途中でつまづいてもまた立ち上がればいい、成功する喜びを子どもたちに伝えることでどんどん挑戦する人間になっていくと信じています。大人も一緒にたくさんの子どもたちと挑戦していくことで、このまちをおもわず挑戦したくなるまちにしていきましょう。

今だからこそ、人から学ぶ、みんなで学ぶ

 この 3 年間、Web を使った授業や会議が増えました。オンライン飲み会なども開かれました。今まで Web の使用に躊躇していたことがコロナを機に一斉に転換したコロナの功といって良い部分かと思います。移動などに伴う金銭的、時間的な負担の軽減を図ることができ、より遠くの仲間と一緒に勉強しやすい環境ができたと感じます。一方で毎回 Web ばかりで一人パソコンに向かい、話しているだけだとどこか空虚で身の入らない勉強会になることもありました。


 しかし Web 上でしか会ったことのない人たちと実際に会えるようになったときは気恥ずかしさもありましたが、やっと出会えた喜びを感じました。実際に仲間と出会う、みんなと同じ空間で一つのことを勉強するというのは学びの意欲が上がるとともに仲間との絆も深まります。様々な IT 技術を駆使しながらも、皆が一同に集まる機会もつくり、想いを共有できるような環境で一緒に学んでいきたいと思います。

人々の懸け橋となる組織へ

 仕事や青年会議所の活動をしていると改めて世間は広いようで狭いと感じます。新たな人脈を求めて飛び込み営業や大きな宣伝をしたわけでもないのにお互いにつながっていたことがわかります。少しのきっかけでこんなにも人と人とのつながりができていくのだと最近気付かされました。


 私たち青年会議所の事業がきっかけとなり、運動に発展し、長年続くイベントやシンボルとなっていくのは目に見えてわかる成果であり誇らしいものです。私もそういったものに触れて弘前のために何かをしようと思った一人です。


 しかしそれ以外にも青年会議所がきっかけでできた人の輪の広がりもまたまちをより良くするものだと思っています。私たちが人の輪と輪の楔になり、お互いに強固な関係を築くことでこのまちはより良い方向に行くことができます。この輪をさらに広げていくにはまちのリーダーとして楔になる人が必要であり、それを学ぶことができるのは青年会議所だと思います。多種多様な人の輪を持つ仲間を見つけて共に活動することでこのまちをより華やかなまちへと変えていきましょう。

お互いのまちを知る、自分のまちを好きになる

 友好団体との交流も久しぶりに行われ始めています。過去に積極的に交流をされていた先輩方も卒業されました。コロナ禍の制約でお互いにそれぞれのまちに行きたいのに行けないという歯がゆい時が続きました。私も入会 4 年目にして初めて弘前を訪ねてきた仲間を案内しましたし、大会や式典などで各地を訪ねました。


 自分たちのまちを案内すると住んでいるのに知らないことがまだまだいっぱいあるなと気付かされます。そして一緒に弘前を回っている中で改めてこのまちの魅力に気づきます。他のまちを訪ねたときもそれぞれのまちにはたくさんの魅力や特色があるなと感じます。また比較することで弘前のまちの良さを再確認することもできました。


 青年会議所に入らなければ、このように観光で一緒に回る機会は得られなかったと思うとともに、こうした活動で自分たちのまちを知ることができるので、改めて会員みんなでそれを実感し、積極的な交流を図る機運を高めたいと思っています。

百華繚乱なまちを目指して

 私たちのまち、弘前が誇るものとして桜があります。日本各地はもとより最近は世界各地からも注目され、各 SNS は春には弘前公園の桜の写真で埋め尽くされます。今後も何十年、何百年と弘前に住んでいるかぎり、まちを自慢するもの、象徴するものとして桜は誇るものになるでしょう。


 しかし他にも自慢できる花があります。桜の花びらが終わりを迎える頃、白く、桜よりも一回り大きく咲くりんごの花です。この花が咲くおかげで秋には日本一のりんご産業を生み出しています。


 20 年ほど前に「世界に一つだけの花」という歌が流行りました。この歌には「ナンバーワンではなくオンリーワン」という主題があります。また小説「星の王子さま」では一生懸命に世話をした赤いバラが珍しい花ではないと落胆する王子に、いくらほかにたくさんのバラがあろうとも自分が美しいと思い一生懸命世話をしたバラはやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだとメッセージを送る場面があります。


 私たちは一人ひとり良いところ、悪いところがたくさんあります。もちろんそれが他の人と似ていることもあるかもしれません。しかし様々な悩みや困難に立ち向かい、一生懸命に生きているからこそ一人ひとりが唯一無二の花になろうとしているはずです。


 花は光なくして成長することはできません。私たちはこのまちのリーダーとして、一生懸命花咲かせようとしている人たちに光を当てて、輝く個性が調和する未来を描き、持続可能な地域をつくるための運動を展開していきます。


 一人ひとりが誇りを胸に美しく咲き乱れるまちを創っていきましょう!

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